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ストレス耐性を見極める方法とは? 面接での質問例からリファレンスチェックの活用まで網羅的に解説

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「せっかく採用した社員がすぐ辞めてしまう...」「転職者が戦力化するのに時間がかかる...」、こんなお悩みを持つ人事担当者や経営者は多いのではないでしょうか。

長時間労働の抑制など働き方改革が叫ばれる一方で、デジタル化に伴う業務の複雑化や人手不足、コンプライアンス強化やグローバル化などを背景に、授業員が「ストレス」を感じる機会は多くなっています。

現代のビジネスパーソンが避けては通れないこのストレスの問題に対処できる性質を備えているか否か、が問われる時代になっています。

本コラムでは、採用時にこそ「ストレス耐性」をきちんと見極め、適切な打たれ強さを持ったメンバーを獲得する方法、具体的な面接での質問例、面接以外での効果的なチェック方法をご紹介します。



ストレス耐性を見極める重要性

人間関係、成果や責任へのプレッシャー、人事評価、顧客対応など、職場に多くのストレス要因が存在しますが、これらにうまく対処できないと、安定したパフォーマンスを発揮できないばかりか、最悪の場合、体や心に不調をきたす可能性もあります。また、本人の問題だけでなく、業務上コミュニケーションを行う周囲のメンバー、ひいては組織全体に悪い影響を及ぼす可能性もあります。

もちろんこれらの問題は、メンタルヘルスに問題を抱える従業員だけの問題ではなく、全社的に、または社会全体として対処されるべきでしょう。たとえば厚生労働省は、「メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業場の割合を 80%以上とする」ことを目標とする『労働者の心の健康の保持増進のための指針』(2017年)を発表するなど、国をあげてメンタルヘルスへの関心が高まっています。

出典:『厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)

しかし、喫緊の課題としては、やはりストレスに強い社員を多く獲得し、プロフィットセンター(利益を生み出す部門)を強化したいというのが企業の本音ではないでしょうか。ストレスに強い社員を採用できれば、新しい組織への早期適応が期待でき、育成コストの低下、即戦力化が見込めます。

では「ストレス」、という抽象的な概念はどうやって見極めることができるのでしょうか。そもそもストレスとは何なのか、から整理して考えてみましょう。


そもそも「ストレス」とは

よく言う「ストレス」とは、「ストレス要因」「ストレス反応」「ストレス耐性」の3つの要素から構成されており、厚生労働省の解説では、一言でいうと「ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のこと」と説明されています。

また、よく言われる例えとして以下があります。

・ストレス要因:ボールを押さえつける力
・ストレス反応:ボールの歪み
・ストレス耐性:ボールの弾力性


ストレス耐性の6つの要素

さらに「ストレス耐性」に注目すると、その要素は以下の6つに分類できます。

1.感知能力

ストレス要因(ストレッサー)への敏感さを示す能力です。必ずしも感知能力が高いことが問題とは言えません。早期にストレス要因を察知し、対応できる可能性があるからです。一方、感知能力が低いことである種の鈍感力を活かし、ストレスフルな業務を乗り越えられる、という可能性も考えられます。


2.回避能力

ストレス要因を受け流すことができるか、ストレスの作りやすさが問われる能力です。不条理な状況をあくまで仕事上のものと「割り切る」考え方ができる人はこの能力が高いと言えるでしょう。


3.処理能力

ストレス要因を早期に弱めたり、無くす対応ができるか否かがストレス耐性の処理能力です。対応方法は多岐にわたりますが、業務内容や人間関係の課題を前向きに解決する主体性と経験が問われる能力です。


4.転換能力

ネガティブなストレス要因を、ポジティブに捉え直す能力が、転換能力です。「自分の糧になった」「次はこう対処しよう」と、前向きな態度を自然と取ることができるかどうか、が問われるスキルです。


5.経験

ストレスに対する慣れ、体験頻度からくる強さ、を示す要素です。良くも悪くも、同種のストレスには慣れが発生し、一度目の体験時より反応が小さくなる傾向があります。一方で、悪い経験として記憶されている事項については過度に反応してしまうケースも存在します。ケースバイケースではありますが、自分がその経験をどう感じているのか、客観視する力も同時に必要とされるでしょう。


6.容量

特定のストレスを抱えられる許容範囲・キャパシティが容量です。ストレス耐性の容量は人によって大きく異なります、また同じ人物でもストレスの種類によって耐えられる許容範囲が異なることも多くあります。自分で自分のキャパシティを把握するのが難しい、という特長も知っておくべきでしょう。


ストレス耐性を見極める面接での質問例

上で説明したストレス耐性の6つの要素に対する、具体的な面接での質問例をご紹介します。

1.「感知能力」を見極める質問

・どういった業務にプレッシャーを感じますか?
・苦手な業務はありますか?
・トラブルを起こしやすいお客様をどう思いますか?


2.「回避能力」を見極める質問

・取引先に理不尽な要求をされた場合どうしますか?
・クレーム対応をこなした経験を教えてください
・苦手な業務は何ですか? どう対処していますか?



3.「処理能力」を見極める質問

・挫折して乗り越えた経験を教えてください
・苦手な同僚がいる場合どう接しますか?
・人手が足りない場合、どんな対応をとりますか?


4.「転換能力」を見極める質問

・どうやってストレス解消をしていますか?
・過去の失敗経験を教えてください? どう乗り越えましたか?
・休日はどのように過ごしていますか?


5.「経験」を見極める質問

・高い目標を達成した経験を教えてください
・難易度の高い折衝業務の経験はありますか?
・マイナスの業績を回復させた経験はありますか?


6.「容量」を見極める質問

・疲れを感じる業務はありますか?
・多くこなすことが苦になる業務はありますか?
・どういった際に寝られなくなりますか?


面接でストレス耐性を見極めるポイント


上述のような質問をする他に、採用面接では、ストレス耐性が高い人・低い人の特徴を知ることも重要です。以下で、それぞれの特徴を見ていきましょう。

ストレス耐性が高い人の特徴

・物事を前向きに捉えられる
・自分のキャパシティを把握している
・ある種の「鈍感力」「マイペースさ」がある
・人の協力を得るのが上手い
・失敗体験も含め、豊富な業務経験がある
・集中力がある
・趣味を持っている

面接での質問に対して、このような項目にあてはまる回答が得られれば、ストレス耐性が高い人材である可能性があります。もちろん、これらの特徴がなくともストレスに強い方もいるので、多面的に判断する必要がありますが、参考として把握しておくと良いでしょう。


ストレス耐性が低い人の特徴

一方で、以下のような特徴をもった人材はストレス耐性が低い可能性があります。これもまた多くの例外がありますが、一般論としてご参考にしてください。

・完璧主義傾向が強い
・責任感が必要以上に強い
・マルチタスクが苦手
・挫折経験を言語化できない
・失敗経験を自己認識していない
・周囲に気を使いすぎる
・多様性の高い組織に属したことがない


面接と合わせて「リファレンスチェック」でストレス対策を見極める

ここまで、採用面接においてストレス耐性の高い人材を見極める重要性やその方法を述べてきましたが、さらに客観的な情報をもとにストレス耐性を見極める方法として、「リファレンスチェック」がおすすめできます。

リファレンスチェックとは、「採用候補者の現職(前職)の上司、部下、同僚、取引先などの関係者に採用候補者の経歴・実績や仕事ぶり、人柄などについて問い合わせること」です。欧米では95%もの企業が実施する一般的な採用プロセスで、近年日本企業での導入が加速しています。

リファレンスチェックを採用選考に組み込むことで、短時間の面接では計り知れない候補者の働きぶりや、働く過程でストレスにどう対処してきたかについて、元上司や同僚から「生の声」を集めることができます。

「履歴書や面接での受け答えは合格水準だが、さらに客観的な情報で見極め精度を上げたい」といった場合や「業務上のストレスを含め、自社の環境と近い職場を経験したことがあるか把握したい」といった要望に答えられるのがリファレンスチェックです。


ストレス耐性の見極めにリファレンスチェックサービスの『ASHIATO(アシアト)』

リファレンスチェックの実施は、調査会社や探偵に委託したり、自社で体制を構築して実施する等の選択肢がありますが、昨今は、オンライン完結型のサービスが主流になりつつあります。

候補者への同意取得や推薦者(リファレンスチェックの回答者)とのやりとりなどがWEB上で完結するエン・ジャパンが運営するASHIATOなら、現状の面接プロセスに容易にリファレンスチェックを組み込むことができます。

ストレス耐性に関する項目も含め、採用後のオンボーディングに活用しやすい状態でデータを蓄積できる点も特徴的なASHIATO。すでに300社以上の多種多様な企業様に導入いただいております。興味がある担当者様は、まずはフォームからお気軽にお問い合わせください。

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ASHIATO編集部

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