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問題社員への正しい対応とは?適切な解雇方法はある?特徴と対処を事例付きで解説

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良い企業文化を醸成し、社内に浸透させる重要性が叫ばれる昨今、いわゆる「問題社員」への対処、という課題に注目が集まっています。あらゆる面で会社を困らせる問題社員に対して、どのように対応すべきなのでしょうか。本コラムでは、問題社員の特徴や正しい対応方法、適切な解雇方法などを事例付きで解説します。



問題社員とは? 

「問題社員」という言葉に明確な定義はありませんが、一般的には、会社に不利益や悪影響を与える社員のことをいい、最近では「モンスター社員」と呼ばれる場合もあります。

不利益や悪影響を与える内容は様々で、会社での勤務態度や社内外でのコミュニケーションにおいて一般常識から逸脱した言動が目立つタイプの問題社員や、常識外れな言動はないが、能力不足や心身の不調から求められる業務水準に達しないことが問題となる社員などがいます。


問題社員の特徴

問題社員の特徴としては「業務命令に従わない」「無断で遅刻や欠勤をする」「協調性がない」「ハラスメント傾向がある」などがあります。最初は小さな問題であっても、会社側が適切に指導を行わなければ問題行動がエスカレートし、より対処の難しい問題社員となってしまうことがあります。

問題行動の要因は「一般常識の欠如」「反社会的な性格」「能力不足」「精神的な不調」「他の社員からのハラスメント」など様々ですので、要因を正しく把握し、適切な対処をとることが必要です。


問題社員を放置するリスク

問題社員を放置することは、社内外に悪影響を及ぼすリスクがあります。

問題のある言動に対して指導や処分が無く、見過ごされ続けることで、他の社員は「問題社員は許されているのに、自分だけ誠実に業務を行うのは損だ」と感じてモチベーションが低下したり、さいあく退職につながるリスクもあります。

また、問題社員が取引先に悪い印象を与えることは企業のイメージを毀損しますし、「業務命令に従わない」または「業務遂行能力が十分でない」問題社員のミスによって、取引先に迷惑をかけたり、金銭的な損害が生じることもあり得ます。


問題社員の適切な解雇方法はある?


問題社員に退職してほしい場合、いきなり退職勧奨や解雇をするのではなく、後述のように順を追って対応することが必要です。客観的に見て合理的な理由がない場合の解雇は「解雇権の濫用」にあたり、無効となるからです。
(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

引用元:『労働契約法 第三章 労働契約の継続及び終了

解雇はとても重い処分であり、解雇した社員から損害賠償を請求されて訴訟につながることもあるため慎重に検討しましょう。

また、問題社員を自主的に退職させるために、パワーハラスメントなどで精神的に追い込む方法も世の中に出回っていますが、言うまでもなく実施してはいけませんし、そのようなことが起こらないよう、問題社員の上司や同僚との認識共有が必要です。


問題社員への対応方法

問題社員への注意指導や懲戒処分、退職勧奨や解雇は、法律への抵触や退職後の訴訟などがないよう、以下のように順を追って対応しましょう。

現状の把握

まずは現状の把握が必要です。問題社員と思われた人物ではなく、他の社員からのハラスメントやチームの機能不全により問題が生じていることもあり得ます。

当該社員やその上司、チームメンバーへのヒアリングや、社員アンケートの実施などで問題に関する全体像を把握しましょう。

注意・指導

現状を把握したうえで当該社員に問題があることがわかった場合は、上司や人事部から注意・指導を行います。その際、後々揉めることがないよう、口頭注意だけでなく「注意書」や「指導書」を作成して書面でも注意・指導を行いましょう。「指導記録票」を作成しておくこともおすすめです。

配置転換

現在の担当業務に対して問題社員の適性がない場合は、「配置転換」という解決方法も考えられます。「解雇前に配置転換などを検討すべき」という旨の判例もありますので、異動によって社内で他に適した業務があるかを見極めましょう。

ただし、いわゆる「追い出し部屋」のように、業務を与えずに退職に追い込むようなパワハラは行われるべきではありません。

経過観察

注意・指導や配置転換を行った後は、当該社員の問題に関して変化があるかどうか経過を観察します。改善がない場合は再度注意指導を行いますが、一定期間経過しても変化が見られないようであれば次の「懲戒処分」を検討しましょう。

懲戒処分

面談や注意・指導、配置転換などの対応を実施しても改善が見られなければ、譴責(けんせき)・戒告、減給、出勤停止といった懲戒処分を検討します。減給や出勤停止の処分は社員の生活に大きな影響を及ぼすため、慎重に判断すべきです。

また、「懲戒処分とされる事由と処分の程度が就業規則等に明示されてあり、この就業規則等が周知されている」状態でなければ、懲戒処分は行えません。

退職勧奨

懲戒処分を受けても改善が見られない場合も、いきなり解雇をするのではなく、まずは退職勧奨によって円満に辞めてもらえるよう、いわゆる「肩たたき」をします。執拗に何度も退職勧奨を行うと退職の強制と受けとめられる可能性もあるので注意しましょう。

解雇

以上の順を追って問題社員に対応した上で、退職してほしいのに合意が得られない場合は、「普通解雇」や「懲戒解雇」に踏み切ることになります。

解雇は重い処分であり、先述の「解雇権の濫用」にあたる恐れもあるため、実施前に弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。


問題社員への懲戒処分に関する事例・判例


企業からの懲戒処分が適切でないとして、社員(元社員)が訴訟を起こした事例と裁判の結果をご紹介します。

【事例】会社批判や取引先情報を個人のホームページへ掲載

個人のホームページに「会社への批判や取引先の情報」を掲載するなどした社員に、14日の出勤停止処分を命じた企業の処分は、有効であるとの判決が出ました。

企業の信用を害するこの社員の行為は、就業規則によって定められた

・従業員が遵守すべきとされている「会社の経営方針あるいは編集方針を害するような行為をしないこと」
・「会社の秩序風紀を正しくよくしていくために」遵守すべきとされている「流言してはならない。」

という内容に反しており、14日間の出勤停止という懲戒処分が不相当であるとはできない、として処分は有効となりました。

(日本経済新聞社事件 東京高裁 平成14年9月24日判決)

【事例】精神的な不調による無断欠勤

約40日間欠勤を続けた社員を「正当な理由のない無断欠勤」をしたとして、企業が就業規則に基づき諭旨退職の懲戒処分をしましたが、無効であるとの判決が出ました。

この事例では、社員が精神的な不調により休職を求め、納得しない限り出勤しない旨を伝えた上で欠勤していました。これに対し、企業が「精神科医による健康診断実施」や「診断結果に基づいて治療を勧め、休職などの処分を検討」するといった対応をとらずに「正当な理由のない無断欠勤」とみなしたことは適切とは言い難いとして、諭旨退職は無効となりました。

(日本ヒューレット・パッカード事件 最高裁 平成24年4月27日判決)


問題社員の入社を防ぐには?


問題社員への対応方法をご紹介しましたが、根本的な対策は問題社員の入社を防ぐことです。採用選考の段階で候補者の業務遂行能力やコミュニケーション力、人柄などをしっかりと見極めて問題社員の入社を防ぎましょう。

具体的には以下のような対策があります。

・採用基準を明確化・平準化し、採用担当者の独断ではなく企業全体の統一された基準で選考を行える状態を作る
・エン・ジャパンが提供する3Eテストなどの「適性検査」を実施し、採用候補者の性格や特性、能力を把握する
・「リファレンスチェック」を実施し、採用候補者の仕事ぶりやコミュニケーションスタイルなどの客観的な情報を事前に収集する

この中でも、採用候補者の上司や同僚・取引先など、現職(前職)関係者から具体的な情報をヒアリングする「リファレンスチェック」の注目度が高まっています。すでに欧米では95%の企業が採用時に実施するほど一般的な採用手法であり、近年日本でも急速に導入企業が増加しています。

リファレンスチェックの実施には、自社完結で実施する、代行会社に委託する、オンライン完結型のサービスを活用する、という選択肢が主にありますが、導入ハードルの低さやコンプライアンス遵守の観点などから、実績豊富なオンライン完結型サービスが活用されるケースが増えています。


採用前の見極めにはリファレンスチェックサービス 『ASHIATO(アシアト)』

本コラムでは、「問題社員」の特徴や適切な対応方法、事例などをご紹介しました。繰り返しになりますが、社内で問題社員を生まないためには、そもそもの採用時点での見極めが重要です。

採用大手エン・ジャパンが提供するリファレンスチェックサービス「ASHIATO」では、候補者の仕事ぶりやコミュニケーションスタイル、人柄などの客観的な情報をオンライン完結で収集することができます。

さらに、

・面接時に確認すべきポイントや質問例を記載した「面接官アドバイス」の提供
・30年にわたる適性検査の運用ノウハウを活かした「他己分析テスト」のレビュー
・過去に不祥事を起こした疑いや反社会的勢力の疑いがあるか確認する「コンプライアンスチェック」機能の提供 ※有料オプション

など見極めに関するサービスが充実しています。採用候補者に問題が無いか、自社のカルチャーや業務内容に適しているかをより正確に、より客観的に検討可能です。

また、入社後の定着・活躍を見据えた独自の質問設計により、配属の決定や研修内容などオンボーディングにも役立てることができ、問題社員化を未然に防ぐとともに、活躍しやすい環境を整える一助にもなります。リファレンスチェックサービスにご興味をお持ちの人事ご担当者様は、まずはフォームからお気軽にお問い合わせください。


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ASHIATO編集部

この記事を書いた人

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