そもそもリファレンスチェックとは
リファレンスチェックは、海外では約95%の企業が導入している一般的な採用手法ですが、日本企業ではまだ普及段階で知らない方も多いかと思いますので、簡単に解説します。リファレンスチェックとは、採用のプロセスにおいて、候補者をよく知る同僚や上司に人物像や働きぶり、スキルについて問い合わせることを指します。本来一 緒に働いてみないとわからない客観的な情報を取得でき、候補者の見極めをはじめ、入社後に活躍しやすい環境を検討する材料にもなりえます。 リファレンスチェック時に気をつけたいなりすましとは
リファレンスチェックが日本で普及するとともに問題になっているのが「なりすまし」です。本来、候補者が同僚や上司などに推薦者としてリファレンスチェックに対応してもらうよう依頼し、レポートが行われるのですが、この推薦者になりすまし、候補者に有利な状況を作るのが「なりすまし」です。なりすましには大きく分けて2つのパターンがあります。 なりすましのパターン1:候補者自身が推薦者になりすます
採用候補者が、上司や同僚などの知人に推薦者になってもらえない場合、候補者自身が推薦者になりすまし てリファレンスチェックに回答する、というものです。経歴詐称など、重大な事実を隠す目的でなりすますことも考えられます。
なりすましのパターン2:適切でない第三者が推薦者になりすます
リファレンスチェックにおいて推薦者は、企業から指定することが多いですが、この企業の指定に該当しない第三者が、該当すると偽ってレポート回答するのがこのパターンです。この第三者は、友人や知人に限らず、業者がなりすまし代行を受けている悪質なケースも存在します。
なりすましはなぜ行われるか
なりすましが行われる背景には、何か隠したい事実がある場合と、推薦を依頼することが難しい場合があります。まず、何か隠したい事実があるケース。経歴や現職での素行に問題があり、事実を知っている人がリファレンスチェックに回答することで、候補者にとって不都合な事実が企業側に伝わることを恐れてなりすましが行われます。特に経歴詐称や反社会的勢力とのつながりなどの悪質な秘匿事項がある場合、協力者を得ることが難しいため、本人が推薦者になりすますことが多くなります。悪質な理由でなくとも、周囲にリファレンスチェックでの推薦(回答)を依頼することが難しいという理由でなりすましが行われるケースもあります。現職に退社を切り出すことで強い反発を招く可能性があって依頼が難しいが、リファレンスチェックを拒否することで採用企業の心象が悪くなってしまう恐れもある、という板挟みの中でなりすましを行ってしまうようです。リファレンスチェックを受ける際に「現職に転職活動がバレてしまうこと」を懸念する候補者は多くいます。エン・ジャパンが『ミドルの転職』を利用している35歳以上のユーザーを対象に行った『ミドル世代に聞く「リファレンスチェック」実態調査』でも、「リファレンスチェックのデメリットだと感じることを教えてください」という質問に対して、最多の43%が「同僚や上司に転職を考えていることがわかってしまう」と回答しました。■リファレンスチェックのデメリットだと感じることを教えてください。(複数回答可)引用元:エン・ジャパン『ミドル世代に聞く「リファレンスチェック」実態調査』しかし、どんな理由であれ、企業側からすればなりすましを許容することはできず、適切な対策が必要です。▼「経歴詐称を事前に見抜く方法」のより詳しい記事はこちら経歴詐称に注意! 発覚後は解雇できる? 未然に被害を防ぐには?▼「採用時の反社チェック」のより詳しい記事はこちら反社チェックとは? 採用時の具体的なチェック方法を解説 なりすましへの3つの防止対策
企業側ができるなりすまし対策を、以下で3つご紹介します。自社のリファレンスチェックの内容に合わせて、実施できるものをぜひ取り入れてください。