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リファレンスチェックは内定前・内定後どちらで行うべき? 内定取り消しは違法?

お役立ちコンテンツ公開日最終更新日


近年、採用選考の手法として注目を集め、導入企業が増えているリファレンスチェック。いざリファレンスチェックを実施する際、選考のどのタイミングに組み込むか迷っている採用担当者様もいるのではないでしょうか。ずばり、リファレンスチェックの実施は「内定後」よりも「内定前」がおすすめです。

本コラムでは、内定前・内定後などの実施タイミング別のリファレンスチェック活用方法や、リファレンスチェックの結果をもとにした内定取り消しが難しい理由などを解説します。



リファレンスチェックとは


リファレンスチェックとは、採用候補者の現職(前職)の上司や部下、同僚、取引先といった関係者に、候補者の経歴、実績、仕事ぶり、人柄などを問い合わせることです。

採用候補者の客観的な情報を得ることで、採用のミスマッチ防止や選考の効率化・公平化、採用後の定着率向上などに役立てることができます。

コロナ禍でオンライン面接が増加したことも背景となり、候補者をより深く知る手段のひとつとして、リファレンスチェックがますます注目されています。

リファレンスチェックが原因で落ちることはある?


リファレンスチェックの結果が原因で、採用選考に落ちてしまうこともあり得ます。リファレンスチェックは良い点も悪い点も含めて推薦者(現職の関係者)に回答してもらう調査であり、経歴やスキルの詐称といった大きなネガティブ要素がわかった場合には、そのことが原因で採用されないこともあるでしょう。

また、チェックの結果、人柄や仕事ぶりに問題がなくても、企業が求めるスキル要件や好んでいるカルチャーに合わないとわかった場合には、ミスマッチを防ぐために採用を見送る可能性があるでしょう。

リファレンスチェックのタイミングは内定前? 内定後? 


リファレンスチェックを行う一番おすすめのタイミングは「最終面接の前」です。しかし、目的や状況にあわせて選考の初期段階や内定前・内定後に行うこともあります。以下で4つの実施タイミングにおけるリファレンスチェックの活用方法をご紹介します。

実施タイミング1:選考初期段階

選考の初期段階で対象者全員にリファレンスチェックを実施することで、自社のカルチャーや雰囲気にあった人柄重視の採用を行うことができます。

対象となる人数が多い分、リファレンスチェックのコストは増えてしまいますが、初期段階で人数を絞ることでその後の面接の回数を減らしたり、チェックの結果を元に考えた質問で、面接での見極め精度を向上させることができます。

実施タイミング2:最終面接前

最終面接の前段階でリファレンスチェックを実施する場合、選考の初期段階とは違い、候補者についてある程度把握した上でリファレンスチェックの質問内容を考えることができます。

最終面接ではチェックの結果をもとに候補者について知りたい内容をより深掘りすることができるでしょう。

実施タイミング3:最終面接後(内定前)

「内定を出したいと考えているが、気になる点がある」「人数を絞りたいが決め手にかけるので追加情報が欲しい」などの理由で最終面接後(内定前)にリファレンスチェックを行うこともあります。

得られた情報を面接に活かすことはできませんが、最終確認として利用することで安心して内定を出せるでしょう。


実施タイミング4:内定後(入社前)

候補者に内定を出し、入社する前の段階でリファレンスチェックを実施する時は
、内定前(最終面接後)の場合と同じく最終確認として使ったり、入社後の配属やマネジメントの参考にしたりします。

ただし、リファレンスチェック後の内定取り消しは不当解雇にあたる場合もあり、慎重な判断が必要になります。チェックの結果を採用判断に活かしたい場合は、内定を出す前のリファレンスチェック実施がおすすめです。

リファレンスチェック後の内定取り消しは違法!? 



リファレンスチェックの結果をもとに合理的な理由なく内定取り消しを行うと法に抵触する恐れがあります。関係する法律や取り消しが無効になった事例、内定取り消しが認められるケースについてご紹介します。

内定取り消しに関係する法律


内定は労働契約とみなされるため「労働契約法」が適用されます。以下の通り、客観的に合理的な理由がない内定取り消しは「解雇権の濫用」にあたる恐れがあります。
(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

引用元:『労働契約法 第三章 労働契約の継続及び終了

内定取り消しが無効となった事例


内定取り消しが無効となった事例として有名なものに「大日本印刷事件」があります。
裁判要旨

三 企業が、大学卒業予定者の採用にあたり、当初からその者がグルーミーな印象であるため従業員として不適格であると思いながら、これを打ち消す材料が出るかも知れないとしてその採用を内定し、その後になつて、右不適格性を打ち消す材料が出なかつたとして留保解約権に基づき採用内定を取り消すことは、解約権留保の趣旨、目的に照らして社会通念上相当として是認することができず、解約権の濫用にあたるものとして無効である。

引用元:『最高裁判所判例集 事件番号  昭和52(オ)94

この事例では、グルーミー(陰気)な印象であることを分かった上で内定を出し、それを打ち消す材料がなかったという理由で内定を取り消すことは社会通念上相当とは認められないため、解雇権の濫用にあたり、内定取り消しは無効であるという判決が出ています。

内定取り消しが認められるケース


内定を出す前には知ることができず、知っていれば内定を出さないと客観的に認められるような理由があれば、内定取り消しは認められるでしょう。例として以下のような理由があります。

・大きな経歴詐称があった
・業務上必須である資格や業務経験を有していなかった
・前職で重大な懲戒処分を受けたことを隠していた
・過去に社会的に重大なトラブルを起こしていた
・反社会的勢力とのつながりがあった

リファレンスチェック実施は内定前がおすすめ



先述の通り、リファレンスチェックの結果を理由に内定取り消しをするのは難しいものです。チェックの結果、人柄や過去の仕事ぶりが期待と異なると判断したり、前職の解雇理由を問題視して、採用を見送る可能性もあります。客観的に見て合理的な理由がない場合に内定取り消しを行うと、解雇権の濫用となる恐れがありますので、リファレンスチェック結果を採用可否の参考にしたい場合は内定前の実施をおすすめします。

また、チェックの結果について本人確認する機会を設けるために、「最終面接よりも前」に実施するとより良いでしょう。

『ASHIATO(アシアト)』なら選考フローへの組込みも簡単


本コラムでは、内定前・内定後など実施タイミング別でのリファレンスチェック利用方法や、内定前、とくに最終面接前のリファレンスチェック実施がおすすめな理由をご紹介しました。

採用選考ではスピードが大切です。時間をかけて候補者を見極めたいところですが、候補者が先に内定を出した他社への入社を決めてしまったり、1人1人にかける時間が長いために他の応募者にアプローチできない機会損失を考慮すると、選考プロセスのスピード化が必要になります。

エン・ジャパンが提供する「ASHIATO」ならスピーディなリファレンスチェックが可能です。リファレンスチェック依頼から回答を元に作成されたレポートの閲覧までオンライン上で完結し、調査前に企業が行うデータの入力は約5分、推薦者(回答者)に依頼してからレポートを回収するまで平均3日と、選考スピードを落とさないリファレンスチェック実施が可能です。

選考フローにリファレンスチェック導入をお考えの採用ご担当者様は、まずはフォームからお気軽にお問い合わせください。


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ASHIATO編集部

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