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職務経歴書の嘘の見抜き方。「盛ったらバレる」は本当!

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中途採用の選考で使用される「職務経歴書」。当たり前ですが、この書類を作るのは転職希望者の側。「少しくらい良く書いてもバレない」という思いから内容を「盛る」ことや、明確に嘘の記載をした場合も、企業側がそれらを見抜くことは容易ではありません。

本コラムではこのような職務経歴書の嘘について、よくある例と見極め方、対処法についてご紹介していきます。



そもそも職務経歴書とは?

まず改めて職務経歴書とはどんな書類なのか、その概要と役割をおさらいしましょう。

職務経歴書とは

職務経歴書とは、候補者が自分の業務経験やスキルを企業へプレゼンテーションするための書類です。これまでのキャリアを総まとめし、携わった職務と成果、経験した役職、保有する技能や資格を受験企業に知ってもらうための書類です。


履歴書との違い

履歴書は、決まったテンプレートに沿って、学歴や職歴を時系列にまとめた書類です。どこに住んでいて、どんな学業を修めてきたか、何回転職したのかなど、事実を書き記した候補者の基本プロフィールに近いものです。

一方で職務経歴書は、往々にしてフォーマットの指定はなく、応募先の職種や業種、自分のアピールポイントなどを踏まえて、魅力的に見えるように書く工夫が必要になります。


職務経歴書のよくある嘘

このように採用選考において重要な判断材料になる職務経歴書ですが、前述の通り、嘘を書いてしまうケースも少なくありません。ここでは人事担当が注意したい、よくある職務経歴書の嘘をご紹介します。

勤続年数・空白期間

勤続年数や、職についていない空白期間について事実と異なる記載をしてしまうケースです。「勤続年数が極端に短い会社がある」「多くの会社を数か月以内に辞めている」「空白期間が長い」などの事実が、採用で不利に働くのではないかと考える候補者もいます。そのため、複数社の勤続年数をまとめて1社分にしたり、前後の勤続期間を延ばして空白期間をなかったことにするケースが見受けられます。


転職回数

転職回数については、多くの場合は実際より少なく見せるように書かれがちです。これも勤続年数同様、転職回数が多すぎて「職を転々として定着しない人だ」というイメージを持たれることを懸念する気持ちから、嘘を書いてしまうのでしょう。


実績

より高く自分を評価してもらうために実績や成果について虚偽の記載をするケースもあります。成果の大小だけに限らず、関与していないプロジェクトについて自分の成果であるかのように記したり、関与度を大きく見せたりすることも含まれます。


職歴・役職・部署

実際にはやっていなかった職務・役職や、所属していなかった部署について経験があるように書く、という嘘もあります。また、マネジメント職の場合は、マネジメント対象人数も盛って書かれることがあります。

応募したい職種の要件を満たすために、実際は未経験なのに経験があると見せかける目的や、役職名によって自分の能力を大きく見せかける目的が考えられます。


職務経歴書に嘘を書く心理

なぜ候補者は職務経歴書に嘘を書いてしまうのでしょうか? その心理をさらに深ぼって解説します。

合格する可能性を上げたい

一番大きい要因は、「採用されたい」という気持ちでしょう。自分をよく見せたり、都合の悪いことを隠すことで採用される可能性を少しでも上げたいという思惑です。

今後、日本の採用においてもジョブ型雇用(職務要件、及びその遂行能力に重きをおいた雇用)が主流になっていくと予想されていますが、今まで以上に未経験者が採用されにくくなるという状況も想定されます。こういった流れを受けて、このような職務経歴書の嘘はますます増えてしまう可能性があります。


書くことがわからない人が多い

別の理由としては、「職務経歴書に何を書いていいかわからない」という心理があります。

以下のエン・ジャパンによる調査データを見てみましょう。

約7割の人が職務経歴書を書く上でわからないことや悩みがある、と答えています。その悩みのポイントとして「アピールできるポイントが見つからない」が47%で2番目に多くなっています。アピール内容に困って、実績や職歴を盛って書いてしまう…という人も少なくないのでしょう。


「バレない」と思っている

上記のような理由で嘘を書こうとしても、嘘がバレて不採用になる、と考えられれば思いとどまれます。しかし、「嘘を書いてもどうせバレないだろう」と安易に考え、軽い気持ちで実行してしまう人は意外にも少なくないようです。


職務経歴書の嘘は入社後にも影響する

嘘を書いてしまう候補者は比較的軽い気持ちで書いてしまうものですが、こういった嘘は後にどのような影響を及ぼすのか、そのリスクを見ていきましょう。

実力が伴わず本人が苦労する

ほとんどの嘘が自分を実際以上に良く見せる内容で書かれますので、嘘を書いて採用された場合、スキルや経験が伴わずに苦労するケースが多いと言えます。本人が苦労するだけでなくチームメンバーにも迷惑をかけてしまうほどだと、さらに悪影響は大きくなります。


昇進や評価に影響し、定着しづらくなる

入社後に嘘が発覚した場合、重要な書類に噓を書くような人物であるということで、信頼を得にくくなり、重要なポジションを任せられないと判断される可能性も大いにあります。結果的に、入社時の嘘が本人のキャリア形成で不利に働き、会社に定着せずに早期に転職してしまうというリスクがあります。


最悪の場合、解雇になる可能性も

最も直接的なリスクは、書いた嘘によって解雇になるケースです。会社によっては履歴書や職務経歴書の内容に重大な嘘があった場合に懲戒解雇などの重い処分を行うことが就業規定に明記されていることがあります。軽い気持ちで書いた嘘が最悪、解雇という結果になる可能性もありえるのです。


職務経歴書の嘘は罪になるか


会社既定での処分があり得るということはわかりましたが、法的には問題ないのでしょうか?

基本的には罪にはならない

職務経歴書に嘘を書いても、現行法においては、一部の重大なケースを除いては罪に問うことは難しいでしょう。以下で、法的に問題になる場合を紹介します。


卒業証書などを偽造すると私文書偽造の罪になる

私文書偽造罪とは、他人に誤解をさせる目的で、権利または義務・事実証明に関する文書を偽造した際に成立します。採用のシーンにおいては、卒業証書や資格証明書を偽造した場合などはこの罪に問われる可能性があります。


国が指定する資格の保有を偽ると軽犯罪法に抵触する

軽犯罪法第1条15号は、「官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称した者」は、拘留または科料に処する、と規定しています。

具体的には、学位、公務員、弁護士、医師、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士のような特定の資格は、持っていない人が資格を持っていると偽った際に軽犯罪法に抵触する可能性があるのです。


嘘によって不法の利益を得ると詐欺罪に

職務経歴書の詐称内容をきっかけに、会社から本来得ることができなかった利益を得ると、詐欺罪が成立します。しかし、遂行した通常労務に対する給与は支払われるべきなので、その線引きが難しいという一面もあります。


職務経歴書の嘘はバレるか? 見極め方と対策


「バレないだろう」という軽い気持ちで嘘を書いてしまう候補者が多い中、職務経歴書の嘘を見抜くことはできるのでしょうか。ここからは採用担当者向けに嘘の見極め方を紹介していきましょう。

面接で違和感のある箇所を深堀りする

まず、一番初めに嘘を見抜くチャンスがあるのは面接です。これまでの経験やスキルについて、職務経歴書をもとに質問していくと思いますが、違和感がある項目については、詳細について深堀り質問しましょう。

意図的に嘘をついている候補者の場合は、質問された場合の答えを準備している可能性もあります。合否に関わる重要な事項に関しては、具体的なエピソードを求めたり、スキルを計る試験を面接と合わせて実施するなどの工夫が必要でしょう。


雇用保険の期間と差異がないか確認する

前職の会社名や退職日について嘘を書いている場合、入社時の書類として提出してもらう雇用保険被保険者証と突き合わせることで事実がわかります。この書類はほとんどの会社で提出が必須になるため、ほぼ必ず嘘が明るみにでます。


リファレンスチェックを実施する

面接で嘘を見抜くのは面接者の力量が一定必要ですし、雇用保険期間がわかるのは内定後であるなど、なかなか嘘を見抜くのは容易ではありません。

しかし、候補者について客観的な情報を集められる「リファレンスチェック」を実施すれば、内定前に嘘を検知できる可能性は大きく上がります。

リファレンスチェックとは、「採用候補者をよく知る人物(前職の上司、部下、同僚、取引先など)に候補者の業務経験や仕事ぶり、人柄などについて問い合わせること」です。関係者から候補者に関する生の声を聞ける点で、面接で気になった点などの確認が精度高く行えます。


職務経歴書の嘘を見極めるためにも『ASHIATO(アシアト)』

職務経歴書の噓をチェックすることを目的として、エン・ジャパンが提供するリファレンスチェックサービス「ASHIATO」が、オンライン完結で手軽な点を含めておすすめです。

リファレンスチェックの実施後には、分かりやすいUIで結果がレポーティングされることはもちろんのこと、次回面接時のチェックポイントや質問例のアドバイスがもらえる「面接官アドバイス」といったサービスもあり、多角的に見極め精度の向上に寄与します。

また、反社チェック専門ツールの「RISK EYES」と提携したコンプライアンスチェック機能も有料オプションで付けられるため、複合的にリスク対策ができることも特長となっています。リファレンスチェックをご検討の方は、是非フォームからお気軽にお問い合わせください。

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ASHIATO編集部

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