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エン・ジャパン人事にきく!リファレンスチェック活用法

お役立ちコンテンツ公開日


昨今、導入企業が増えてきているリファレンスチェックですが、活用方法はまだイメージがつかない、そんな企業様も多いのではないでしょうか。
本記事では、エン・ジャパンが運営するリファレンスチェックサービス「ASHIATO(アシアト)」を、自社の採用でどのように活用しているのか、エン・ジャパンの中途採用担当者に聞いてみました。


リファレンスチェックとは?


本題に入る前にですが、まずはリファレンスチェックとは何か?を簡単にご紹介します。



リファレンスチェックとは、端的にいうと、過去一緒に働いたことのある上司や同僚から採用候補者の働きぶりやスキルをヒアリングし、その情報を元に採用可否を判断していく採用・選考手法です。
海外ではおよそ95%の企業が導入しているほど、グローバルスタンダードな採用選考手法ですが、日本でも少しずつ広がりを見せてきています。

どんな情報が取得できるのか、知りたい方は、下記より実際のレポートサンプルをチェックしてみてください。



エン・ジャパンの採用活動におけるリファレンスチェック活用方法


ー教えてくれたのはこの方ー

エン・ジャパン株式会社 人財戦略室 中途採用グループ
土屋 茜
(※インタビュー当時)


採用ターゲット


はじめに、私たちの採用ターゲットについて簡単にお伝えします。

エン・ジャパンは入社後活躍を世の中に発信し、広めていこうとしている会社ですので、まずは自社での採用で入社後活躍を体現していくことが重要と考えています。
そのための人事施策として、何をしているのか。例として採用ターゲットや選考時に見ているポイントをお伝えします。


私たちの採用では、20代〜30代前半のいわゆる若手層を中心としたターゲット設定をしています。営業経験はなくても構わないのですが、接客業なども含めた何かしらの顧客折衝の経験は必要最低限の要件として設定しています。

経験よりも「素直さ」「目標達成への熱意」「地頭」などのポテンシャルがあれば活躍が見込めると考えているためです。

そして、選考時の確認ポイントとして最も重要視していることは、エン・ジャパンの文化・風土・価値観に対して共感できるかどうか、という点です。幹部候補として長期的に活躍いただくためには、経験やポテンシャル要素よりも大事だと考えています。

導入背景



エン・ジャパンの人事としてASHIATOを導入した背景についても簡単にご紹介します。自社サービスとは言えども、実際に選考に導入するまでには不安な点もありました。

コロナ禍を経て、現在はオンライン面接で対応していますが、「オンライン選考における弊害」は弊社でも起こっており、選考過程で得られる情報が限定的になってしまったことから、内定の判断に迷いや懸念が生じてしまうことは少なくありませんでした。

もちろんオンライン選考でも採用候補者とのコミュニケーションの中で情報は得られますが、来社時に生まれていたふとした会話が画面越しになることでなくなってしまったり。候補者との距離が縮まらないと、候補者も情報を出しにくくなるのではないかと感じています。

そこで、一緒に働いていた方からの客観的な情報が有益になると考えました。真に入社後活躍に繋がる採用を目指していくべく、自社においてもASHIATOの導入・利用を決めました。

ただ、導入に当たって不安が全くなかった訳ではありません。一定数は辞退に繋がるのではないか、採用数の目標達成ができないのではないか、きちんと判断に足るほどの情報が得られるのか、などの不安はありました。

一方で、入社してもすぐに離職してしまうことや、思っていた通りに活躍されないという事例が現場から上がってくることもありました。
であれば、ただただ数を追うだけの採用より、少し工数がかかったとしても精度を上げる動きを取ったほうが最終的に入社後活躍に繋がるのではと思い、最終的に導入の意思決定をしました。


ASHIATO利用フロー


さて、ここから本題です。
実際にASHIATOをどう選考に組み込んでいるかご紹介します。


エン・ジャパンへの正社員の中途入社者には全員実施をするフローとしており、基本的には最終面接実施前〜内定を出す前までの間に実施をしてもらっています。

ASHIATOの内容と人事の所感、最終面接官の所感の総合的な結果から内定を出すかどうかの判断をしています。

下記はエン・ジャパンにおける中途採用のフローです。


まずASHIATOの実施を告知するタイミングは書類選考通過後、一次選考のできるだけ早いタイミングで行っています。
一次選考参加者には、個人情報保護の同意や反社会的勢力排除の同意のアンケートと併せて、リファレンスチェックとは何か?ASHIATOとは何か?を案内しています。

その後、一次選考通過者には、改めて口頭でASHIATOの目的とともに正式な依頼をしています。
基本的には最終面接実施までの間に全ての回答が出揃っている状態を目指しており、その期日も踏まえて依頼をしています。
回収できたASHIATOレポートを元に最終面接官へ申し送りを行っています。


リファレンスチェック依頼時のポイント


リファレンスチェック活用に向けた大事なポイントとして、依頼時のコツもご紹介します。


元々懸念としてあった、ASHIATOによる辞退が発生しないか、歩留まり悪化にならないか、という点において、私たちはかなり配慮をしてコミュニケーション設計を行っています。

ポイントとしては大きく3点です。

【ポイント1】
できるだけ選考の初期段階でASHIATOの告知をするようにしています。

選考フローの中でお伝えした通り、書類選考通過時に必要な同意確認と併せてリファレンスチェックの説明とASHIATOの目的を記載したアンケートを確認してもらっています。
このタイミングで同意を得られないケースはほぼありませんが、はじめの段階で告知をしておくことで正式依頼よりも前だってリファレンスチェックのイメージを持っていただくことを目的としています。

【ポイント2】
ASHIATOの実施目的がネガティブな印象として捉えられないように伝え方の工夫をしています。

リファレンスチェックそのものを知らない求職者の方は、Googleなどで必ずリファレンスチェックと調べます。その際に、”粗探し”などの記事が目についてネガティブなイメージに繋がりかねませんし、自社へのイメージもネガティブに映る懸念がありました。そこで、必ず各担当の人事から口頭でASHIATOの目的を伝えるようにしています。
「ASHIATOと言う名前の通り、これまで積み重ねてきた努力やそれによる信頼を第三者からPRしてもらうツールであり、入社後どのような組織やチームに配属してもらうとよりご活躍いただけるかを事前に知っておくためのアンケートです」と伝えるようにしています。

【ポイント3】
ASHIATOのアンケート調査にご協力いただける推薦者の方がいるかどうかを確認した上で、関係性の指定をするようにしています。

目的を説明した上で、協力してもらえそうな方がいるかどうか、例えば直属の上司が難しそうであれば、過去の上司や前職の上司まで対象を広げると協力依頼ができそうな人がいるのか、などを口頭でコミュニケーションをとりながら確認しています。リファレンスチェックについて何も知らない候補者は不安に感じることが多いですが、丁寧に説明をすることで「それなら回答もらえそうです」と安心頂けるケースが多いです。

▼依頼の仕方については、こちらもご参考にご覧ください。
はじめてでも安心!リファレンスチェックガイドー採用候補者への依頼編ー


よく活用している質問例



上記は私たちがよく活用している質問の一例です。

ASHIATOのサービスとしてデフォルトで40問の用意があり、その中から選んで利用をしています。
いずれも、問題があるかないかの確認というよりも、性格特性や人柄、仕事へのスタンスなどエン・ジャパンの組織風土や文化、価値観に合うかどうかがわかる質問を重視しています。

例えば、相性がよかった人や悪かった人、パフォーマンスを発揮しやすい組織文化は何か、フラストレーションを溜め込みやすいタイミングなどは入社後のフォローとしても活用ができる質問です。
どんな組織だと最適な配置になるかも含めて確認し、実際に配置決めの際にも情報を活用しています。

▼効果的な質問例については、こちらもご参考にご覧ください。
はじめてでも安心!リファレンスチェックガイドー効果的な質問例と設計の仕方ー

運用してみての効果



実施してみての効果ですが、入社後活躍に向けた人事施策としては効果があると感じています。

具体的には、1時間の面接でヒアリングしきれなかった、採用候補者ご本人の強みや特性を確認することでき、申し送りに根拠や自信が持てることが多くなりました。
特に若手・未経験ターゲットの採用の場合、採用候補者ご本人が強みや特性を言語化しきれていないことも多く、そういったタイミングでは客観的なコメントで自社に求める能力やスキルが確認できたりします。

逆に採用面接時の評価は良くても、ASHIATOレポートがあることで自社の風土や文化とは合わないとわかったケースもあります。

大事なのは良い悪いで判断するというよりも、自社に合うのか合わないのか、ご入社いただいてご活躍いただけそうかどうかを判断する一つの材料として情報を扱うことだと思っています。

一方で、やはりASHIATOの説明を含めた工数はどうしてもかかってしまいます。
またリファレンスチェックの性質上、どうしても書き手に依存してしまうので、どういう関係性の人からのコメントなのかも踏まえて読み解く必要があります。その点は取り扱いに注意が必要です。


よくいただくご質問


ここまで、エン・ジャパンでの活用事例をご紹介してきましたが、実際にお客様からよくいただくご質問についてもご回答できればと思います。

Q:実際に辞退した人ってどれくらいいるの?

A:正式依頼をした中で辞退された方は数名程度です。エン・ジャパンの選考を受けているという点では元々そういった心理的ハードルが高くないこともあるかもしれませんが、ASHIATOだけを理由として辞退するケースはほとんどありません。

Q:現職に退職のことを伝えていない場合はどうするの?

A:その場合、直属の上司に依頼することは難しいと思うので、同僚や先輩後輩など、距離が近く相談しやすい方にお願いしてもらっています。

Q:エージェント経由の場合はどうするの?

A:基本的に本人と直接やりとりができないため、エージェントを介して依頼しています。エージェントへ一次選考通過連絡をする際に、ASHIATOの案内を合わせて送付し、最終面接日程調整と同時並行で対応頂くことでリードタイム短縮に努めています。ASHIATOの説明自体は面接時に実施しているため、追加での説明が発生したり、大きな問題になったことはありません。

Q:候補者から勘繰られることはないの?

A:あります。多くの採用候補者の方はそもそもリファレンスチェックをご存知ありません。懸念に思われそうな点、特に目的やどんなことを聞かれるのか、は丁寧にお伝えするように心がけています。

Q:選考スピードが落ちることはないの?

A:基本的にはありません。最終面接実施までに回収できることが理想ですが、最終面接までに回収ができない場合も許容しています。その場合は最終面接後でも回収をいただくように促しています。


本記事では、エン・ジャパンでのASHIATO活用事例についてご紹介しました。
少しでも貴社の採用活動の参考にしていただけましたら幸いです。

ご質問や、気になるポイントがある方は、個別にお伝えすることもできますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!
ASHIATO編集部

この記事を書いた人

ASHIATO編集部

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