店舗勤務の社員にも、カルチャーマッチ重視の採用を。持続可能な世界を目指すリユース業界のリーディングカンパニーの採用活動に迫る。

バリュエンスホールディングス株式会社
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ASHIATO導入背景

年々、採用市場での競争が激化する昨今。リードタイム短縮に向けて採用フローを見直す中、選考のスピードと質の両立に苦戦。履歴書の送付を不要にするなど、ステップ数を減らすのは簡単だが、その分候補者の見極めが難しくなってしまう。そこで、リファレンスチェックサービスに興味を持ち、『ASHIATO』を導入することに。ミドル・ハイレイヤー採用やバリューデザイナー(店舗勤務の販売職)採用など、職種や役職を問わず中途採用全体で活用している。

この記事のポイント

ブランド買取専門店「なんぼや」や「BRAND CONCIER」を運営するなど、リユース関連事業を主軸として、さまざまな事業を展開するリユース業界のリーディングカンパニー。

パーパスやミッション、コアバリューを掲げ、持続可能な世界の実現を目指す。選考では、店舗勤務の社員の採用においてもカルチャー面でのマッチングを重視。

年々、採用市場での競争が激化する昨今。『ASHIATO』を活用することで、面接のスピードと質において最適化を実現。

「循環」をデザインする。日本式リユースによって、持続可能な世界の実現を目指す。

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「Circular Design Company」として、さまざまな事業を展開しているかと思います。改めて、貴社の事業について簡単にご説明いただいてもよろしいでしょうか。

中松:当社は、主に「リユース」にまつわる事業を展開しています。時計やバッグ、アパレル、ジュエリーをはじめ、さまざまなブランド品の買取を行なう「なんぼや」は主力事業のひとつです。その他、「BRAND CONCIER」や「古美術八光堂」といった買取専門店を通じて、お客様が大切にしてきたモノの価値を、次に必要とする誰かへとつなぐという「循環のデザイン」を行なっています。

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なるほど。なぜ「循環」を意識した事業活動を行なっているのでしょうか。

中松:それは、当社が大切にしているパーパスに由来します。当社のパーパスは、「Circular Design for the Earth and Us」です。日本語に訳すと「地球、そして私たちのために循環をデザインする」です。誰かの不要なモノを、次に必要とする人につないでいくこと。そして、お客様にモノの廃棄を抑制することで気づきを与え、共感を得て、社会課題をお客様と共に解決するための事業をデザインしていくことです。循環型社会における重要な取り組みのひとつである「リユース」を事業の中核に据えることで、持続可能な世界の実現を目指しています。
 
また、日々の事業活動では、ミッションやコアバリューも大切にしています。前者は、「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」というもの。グローバル化する世界では、経済が発展すると同時に、貧困、環境破壊、格差の拡大、超高齢社会など、さまざまな問題が後を絶ちません。そこで当社は、物質的な豊かさだけではなく、一人ひとりの生き方の豊かさを追求する、「大切なことにフォーカスして生きる」ことが、これからの世界の幸せに繋がると考えています。

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世界にも目を向けた素敵な考えですね。実際に、国外でも事業拡大しているのが印象的です。

中松:そうですね。実際に2019年7月から「日本式のおもてなし買取」の世界展開を目指し、「ALLU」という屋号でブランド買取専門店を海外展開しています。香港でのオープンを皮切りに、現在は世界各国で40店舗以上に拡大。今年もトルコやフィリピン、タイ、フランスなど積極的に新規出店しています。

事業拡大と循環型社会の実現。目指す理想への挑戦。

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すでにグループ全体で1,000名以上の従業員がいるかと思います。今後はどのような組織拡大をお考えでしょうか。

中松:前提として、当社のパーパスやミッションに共感し、体現できる人を増やしていきたいと考えています。人数が増えれば増えるほど、組織は機械的になりやすいです。しかし当社では、創業時より「個」を大切にしています。組織規模が大きくなっても、当社のカルチャーを維持していけるような組織づくりを重視しています。そのため、採用活動においてもパーパスやミッションといったカルチャーに共感してもらえるかどうかを強く意識しています。

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なるほど。選考では、そうした企業文化とのマッチングも重視しているのでしょうか。

丸山:はい。とはいえ、はじめからパーパスやミッションに共感し、体現できる必要はありません。当社が大切にしているカルチャーを形にするにも、まずは日々の業務に取り組む姿勢が大切だと思っています。たとえば、「なんぼや」など店舗で働く場合は、「お客様に寄り添えるかどうか」「お客様の期待を上回るサービスを提供できるかどうか」が大切です。また、店舗では基本的に個室空間で接客するため、お客様が心地よく感じられるような身だしなみやコミュニケーションを意識することも欠かせません。そうしたところから、お客様が大切にしてきたモノの価値を、次に必要とする誰かへとつなぐという「循環のデザイン」がつくられていくのだと考えています。

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ミドル・ハイレイヤー採用では、よりカルチャーへの共感が重要になってきそうですね。

中松:その通りです。若手層のポテンシャル採用でもカルチャーへの共感を求めていますが、ミドル・ハイレイヤー採用ではさらに高いレベルでの共感が求められると考えています。とはいえ、即戦力としての活躍も期待されるからこそ、スキル面でのマッチングも欠かせません。まずはスキルをきちんと見極めたうえで、「当社のパーパスやミッションを理解しているかどうか」「それらに対して何ができるのか」などを問うような質問を通じて、カルチャー面でのマッチングを図っています。もちろん、はじめからすらすらとパーパスやミッションを語れる必要はありませんが、入社後の研修を通じて、自分のミッションがどのようにパーパスの実現につながっているのかを言語化できるようになってほしいと考えています。

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採用担当としては、今後会社をどのようにしていきたいとお考えでしょうか。

中松:パーパスを実現するためにもまずは、組織(会社)と個人(社員)の間で「win-winの関係性」を築けるようにしていきたいですね。採用だけでなく入社後の研修やフォローなどにも注力することで、当社に入社頂いた方が一日でも早くパフォーマンスを最大化してもらうかを見据えた人事を実現したいと考えています。

採用市場での競争が激化する昨今。選考のスピードと質を両立するには…。

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あらためて、『ASHIATO』を導入するきっかけとなった課題や出来事があればお聞かせください。

丸山:年々、人材の獲得競争が激しくなっていると感じていて、そこで勝ち抜くためにも選考フローを見直す必要がありました。しかし、リードタイム短縮に向けて履歴書の送付を不要にするのは簡単ですが、その分、候補者の見極めが難しくなる。選考のスピードと質を両立するにはどうすればいいのかと試行錯誤していたんです。そんなタイミングで『ASHIATO』の存在を知り、導入を検討するようになりました。
 
まずは、当社とお客様をつなぐ架け橋となるバリューデザイナー採用での活用を検討。このポジションは個室で接客をするため、当社が大事にする仕事の考え方やスタンスとフィットするかどうかが採用のポイントとなります。はじめはバリューデザイナー採用のみで活用しようと考えていたのですが、他職種での活用イメージも湧いてきたため、ミドル・ハイレイヤー採用でも導入することにしました。伴走型のリーダーシップを求めるポジションですが、面接だけでは候補者がどのようなリーダーシップを発揮できるのか理解するのが難しいと感じていて。その解像度を上げるためにも、『ASHIATO』を活用できるのではないかと思ったんです。

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さまざまなポジションでの活用となると、かなりのマンパワーがかかりますよね。

丸山:その通りです。当社が目指している「win-winな採用」を実現するために、全ポジションで『ASHIATO』を導入したいと考えていたのですがマンパワー的に難しく…。ただ、そのことを担当者に相談したところ、当社が使用している採用管理システム「sonar ATS」と『ASHIATO』が連携できるよう機能開発をしていただくことになったんです。その結果マンパワーの懸念が解消され、全ポジションでの導入に踏み切ることができました。

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現在は、どのように『ASHIATO』を活用しているのでしょうか。

丸山:主に、一次面接後に活用しています。バリューデザイナー採用では、『ASHIATO』のレポート結果を第三者からの推薦状のように捉えていて。実際の強みを知るだけでなく、第三者視点で当社が大事にしている想いに共感してもらえそうかどうかを確認しています。パーパスやミッションに対する共感をはじめ、ベンチャー気質な会社なので、変化を前向きに捉えられるかどうかも見極めのポイントですね。
 
また、レポート結果をもとにさらなる魅力づけができていると思っています。たとえば、「新しいことにチャレンジできない環境に不満を感じる」というレポートがあれば、「当社ではどんどんチャレンジできますよ」と先回りして伝えることができます。これまでは候補者の発言を受けたうえでの魅力づけしかできていませんでしたが、『ASHIATO』を活用することで、候補者一人ひとりに合わせて魅力となる情報を提示できるようになったと感じています。
 
中松:一方でミドル・ハイレイヤー採用では、レポート結果をもとに面接の精度向上につなげています。この採用では、候補者が当社の大事にする伴走型のリーダーシップを発揮できるかどうかが重要です。しかしこれまでは、面接に慣れていない社員も多く、スキル面でのマッチングを見極めるだけで精一杯でした。『ASHIATO』を活用すれば事前に候補者への理解を深められるため、担当者を問わず見極めの精度が高まったと思います。

『ASHIATO』のレポート結果によって、採用だけでなく、受け入れ・フォローも最適化。

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『ASHIATO』の活用を通じて、採用活動の精度に変化はありましたか。

丸山:面接だけでは分かり得ない、その方の活躍可能性を見極めるうえで機能していると感じています。特に、面接に慣れていない担当者が面接を行う際に、これまで以上に候補者を解像度高く理解できるようになりましたし、そのうえでその方に適した魅力づけと見極めを行なうことができるようになりました。

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それは嬉しいですね!ちなみに、採用以外でも活用されたりしているのでしょうか。

中松:『ASHIATO』では、フラストレーションが溜まる時や意欲的に働ける環境について問う質問も設けています。これらのレポート結果を参考にすることで、採用時に懸念事項を把握できるだけでなく、入社後の受け入れやフォローを最適化することもできると感じています。先ほどお話した、組織と個人の間で「win-winの関係性」を築くうえでも、重要な役割を担っていると言えます。

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最後に、『ASHIATO』への期待を教えてください。

中松:現在も十分に価値を感じています。今後は、これまでのレポート結果をさらに活かしていきたいですね。たとえば、レポート結果と実際に入社した方の活躍度合いを分析することで、採用基準をアップデートするなど。カルチャー面でのマッチングまで重視すると、採用基準がふわっとしがちです。その点をより明確にし、採用ひいては入社から退社までのパフォーマンスを最適化するためにも、『ASHIATO』を活用していきたいと思います。

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中松さん、丸山さん、貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました。

バリュエンスホールディングス株式会社

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会社概要

「Circular Design for the Earth and Us」というパーパスを掲げ、「リユース」に関連する事業を主軸として、国内外で事業拡大を続けているリユース業界のリーディングカンパニー。「なんぼや」や「BRAND CONCIER」といったブランド買取専門店を展開するほか、オークション事業や不動産事業、自動車事業、テクノロジー事業、スポーツ関連事業など、さまざまな事業を展開している。また、「リユース」は循環型社会における主要な取り組みの一つであると捉え、事業活動を通じて、持続可能な世界の実現を目指している。

https://www.valuence.inc

従業員数

1,074名(2024年8月末時点)※連結、正社員のみ

インタビュー
中松 拓也(なかまつ たくや)
NAKAMATSU TAKUYA中松 拓也(なかまつ たくや)

2019年新卒入社。「なんぼや」のバリューデザイナーを1年半経験し、社内公募で人事部に異動。新卒採用と中途採用をともに経験し、現在は採用課のマネジメントおよびミドル・ハイレイヤーの中途採用を担当している。

丸山 実夢(まるやま みむ)
MARUYAMA MIMU丸山 実夢(まるやま みむ)

2022年中途入社。アパレルショップの販売スタッフや歯科助手などを経て、派遣社員としてバリュエンスホールディングスに入社。その後正社員となり、現在はSCM部門の採用を担当している。