「AI×音声技術」で“会話”を変革するスタートアップ。時価総額1兆円に向けた採用活動とは。

株式会社RevComm
株式会社RevComm

ASHIATO導入背景

2017年の設立以来、音声解析AI「MiiTel」を主軸に事業拡大をしてきた同社。直近2年間で従業員数を約40名から250名に拡大するなど、急成長を実現している。しかし過去には、属人的な採用活動によってミスマッチが発生した事例も。

そうした経験を経て、リファレンスチェックサービスを導入することになった。2024年4月には、よりきめ細かなサポート体制を求めて『ASHIATO』に切り替えることに。現在は、スキル面とマインド・スタンス面の両軸による本質的な採用活動を実現している。


この記事のポイント

「AI×音声技術」でビジネスコミュニケーションを変革するスタートアップ。時価総額1兆円を目指し、事業戦略に基づいて地に足の着いた採用活動を実施。

直近2年間で組織規模を5倍に拡大。スキル面だけでなく、マインドやスタンス面でのマッチングも図りながら、事業拡大していけるかどうかが課題だった。

他社のリファレンスチェックサービスを経て、『ASHIATO』を導入。CS担当者のきめ細かなサポートがツール変更の決め手に。

AI×音声技術でコミュニケーションを再発明する。

ASHIATO

これまでブラックボックス化していた、ビジネスシーンでのコミュニケーションを可視化する音声解析AIが印象的です。改めて、貴社の事業について簡単にご説明いただいてもよろしいでしょうか。

当社は、ビジネスシーンでのコミュニケーションを効率化する音声解析AI「MiiTel」を展開しています。このシステムは、AIによって電話やWeb会議、対面会話などの音声を可視化し、分析することで、営業の生産性を高めるものです。これまで音声コミュニケーションは、顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているのかが分からないというブラックボックス化が起きていました。

IT技術の発展により、世の中のあらゆるものが可視化、効率化されてきた中、音声コミュニケーションだけはいまだに感覚的かつ非生産的な要素が多く、尚且つそれが当たり前というイメージが根づいていますよね。そこで当社は、そうした課題にいち早くフォーカスし、各種サービスの開発を行なっています。

ASHIATO

導入実績はすでに2,500社を越えるそうですね。どのような企業で活用されているのでしょうか。

インサイドセールス組織を持つ、SaaS系プロダクトを展開する企業をはじめ、金融機関やBPOサービスを提供する企業、コールセンターを持つ企業にも多数導入いただいています。
現在は、データ活用などに積極的な大手企業が中心ですが、サービスのリリース当初より中小企業からも引き合いがあります。そのため、いかなる業種・職種・企業規模でも簡単に導入できるよう、積極的にサービス開発を行なっている状況です。

ASHIATO

『MiiTel』は新規性の高いサービスだと思いますが、競合サービスも現れ始めているのでしょうか。また、それらに対する強みも教えてください。

たしかに『MiiTel』は、業界に先駆けて誕生したサービスです。しかし現在は、同じようなサービスを展開する企業も増えてきています。それら競合サービスと比較した際の強みは、なによりも開発力ですね。
音声解析AIやクラウドPBX(電話システム)など、プロダクト上のすべての機能を自社で開発している企業は他になく、そのうえ当社では年間約80件以上の開発・改良を行なっています。顧客ニーズに対してスピーディーに対応することで、常に求められているサービスを提供することが可能です。

ASHIATO

なるほど。ちなみに、今年7月にはプレシリーズBラウンドで15.8億円の資金調達を実現されたかと思います。右肩上がりで事業拡大を続けていますが、今後の展望はいかがでしょうか。

当社の目標のひとつに、「時価総額1兆円の実現」というものがあります。企業として影響力が大きくなればなるほど、「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を作る」というミッションの実現にも近づくはずです。とはいえ、この先も日々行なうことは変わりません。まずは、顧客の要望とフィードバックを踏まえて、さらに既存サービスの機能や品質の向上を図ります。

そのうえで、会話データをアセット化して経営判断AIを創出したり、外部連携サービスとの連携強化によってSaaSからPaaSへの展開を行なったりするなど、新しい取り組みにも積極的に挑戦していきたいと考えています。

本質的な採用活動によって、着実に事業成長を目指す。

ASHIATO

2021年1月より貴社のリクルーターを務めているかと思います。急成長を続ける企業の採用担当として大切にしていることは何でしょうか。

採用活動を目的としないことですね。あくまで、事業成長のための手段が採用だと考えています。会社はなにがしたいのか、そのためにはどのような人材が必要なのか。採用を通じて実現したいことをボードメンバーとも話し合いながら、本質的な採用活動を行なうようにしています。
 
また、スキル面だけでなく、マインドやスタンス面でのマッチングも大切にしています。ここで言うマインドやスタンスとは、たとえば「なぜ転職活動をするのか」「なぜRevCommなのか」といったことで、平たく言えば壁にぶつかったときに立ち返ることのできる意思や信念のようなものです。やはりそうしたものがないと、大変な局面で頑張れないと思います。

ASHIATO

今年7月の資金調達に伴い、採用活動に変化はありましたでしょうか。

特に変化はありません。常に事業戦略に基づいて柔軟に採用活動を行なっています。いま採用を強化しているのは管理部門とビジネス部門です。このさきも事業拡大を続けていくうえで、盤石な組織体制を築いておく必要があります。とはいえ、むやみやたらに採用するのではなく、組織ごとの人数が少ないからこそ、既存メンバーとの相性や組織に加わった際のインパクトなども慎重に考えながら採用を進めている状況です。

ASHIATO

採用担当としては、今後会社をどのようにしていきたいでしょうか。

ひとつは、当社の事業をけん引するような人材を採用したいと考えています。何度もお伝えしますが、あくまで採用活動は事業成長の手段です。当社に入社した方々が、これまで培ってきた経験やスキルを遺憾なく発揮し、各組織で活躍してくれたら嬉しいですね。そのためにも、安心して組織に馴染めるように、そして中長期的に活躍できるようにマネジメントにも力を入れたいと考えています。

また、面接や面談に関わるメンバーが「採用って楽しい」と感じてほしいとも考えています。そのうえで、それぞれの採用リテラシーも高めていけたら。ロジカルで真面目なメンバーが多く、面接が合理な面が出やすいことが特徴です。もっと条理に訴えられる面接ができると、弊社の良さも伝わると思っていますので、面接を楽しめる人を増やしたいですね。並行して、スキル面だけでなく、マインドやスタンス面でも候補者のことをきちんと理解をした上でマッチングを図れるようになれば、より候補者にも当社の雰囲気や魅力が伝わると思っています。

成果が出るまでコミットする。『ASHIATO』は、まさに伴走者。

ASHIATO

あらためて、リファレンスチェックサービスを導入するきっかけとなった課題や出来事があればお聞かせください。

初めて当社がリファレンスチェックサービスを導入したのは、私が入社する前のことです。当時は主にボードメンバーが面接を担当しており、現場で求められている人材というよりも、会社に共感できる人材かどうかが重視されていました。その結果、必要以上に目線が高くなってしまい、現場のニーズにあった採用活動ができていなかったんです。そこで、客観的な評価を踏まえて地に足の着いた採用活動を行なうために、リファレンスチェックサービスを導入しました。

候補者の元同僚などへのヒアリング内容をもとに面接を実施することで、ある程度現場のニーズにあった採用活動ができるようになったかと思います。しかし、従業員数を4倍5倍としていくにつれて形骸化していってしまって。リファレンスチェックサービスの担当者からの連絡も少なく、うまく使いこなせていないと感じる機会が増えていきました。そのタイミングで、『ASHIATO』の説明を受けることになったんです。

ASHIATO

選考の質を担保しながらスケールアップするのは簡単ではありませんよね。そうした課題に対して、『ASHIATO』を選んでくださった理由はなんでしょうか。

もともと他社のリファレンスチェックサービスを活用していたのですが、『ASHIATO』のCS担当者のサポートには驚きました。導入にあたり、当社の採用課題などを踏まえて、「どのような目的で活用したいのか」ゼロから運用プランの構築を行なっていただきました。質問内容に関しても、「どのような意図で、どのようなことを聞くと、どのような結果が得られるのか」細かくシミュレーションをしてくれて。具体的なイメージを持ったうえで運用を開始できたので、安心でした。また、リファレンスチェックで得られたデータの見方や利活用についても、具体的なアドバイスや知見をいただき、納得感を持って運用できていると感じます。

また、「いつまでに、どれくらいデータを回収し、どれくらいのタイミングで振り返りをするべきか」など、先々のタイムラインまで設計していただいています。最近では、「質問の回答時間が長く、回答者に負担をかけているのでは…」という懸念点に対しても、すぐに改善提案をしていただきました。運用を開始したら終わり、ではなく成果が得られるまで伴走してくれる。こうした姿勢には、思わず今後の期待も膨らみますね。

データ分析によって、急成長と選考の質の両立を目指す。

ASHIATO

現在、どのように『ASHIATO』を活用しているのでしょうか。

今は、最終面接前に『ASHIATO』を活用しています。まず私がレポート内容に目を通し、そこで感じたことを面接担当者に共有しています。リファレンスレポートの結果だけで合否判定はしていませんが、たとえば、「××に懸念がありますが、◎◎のサポートができれば解消できると思います。マネジメントとして受け入れられる余力はありますか?」という具合です。

これまでは面接担当者それぞれの基準で、「懸念点もあるが、スキル面では問題ない」と採用した結果、その後懸念点のフォローができず採用者のポテンシャルを十分に引き出せていないことがありました。しかし現在は、レポート内容をもとに採用後いかにフォロー・マネジメントすればいいのかまで検討したうえで合否を判断できているため、採用の精度はおろか受け入れ体制の質も高まったと感じています。

ASHIATO

最後に、『ASHIATO』への期待を教えてください。

今後もプロダクトアップデートを続けていくことはもちろん、時価総額1兆円企業になること、ひいては当社が掲げるミッションの実現に向けて採用活動にも一層熱を入れて取り組みたいと考えています。その際重要なのが、今当社に必要な人材を見極め、着実に社員も会社も成長していける状態をつくれるかどうかです。『ASHIATO』には、そうした採用活動の一助になってくれることを期待しています。

現時点では、きめ細かなサポートのもと上手く活用できていると感じています。CS担当者は当社への理解も深く、課題に即した運用プランを提示してくれるため、引き続きそうした姿勢で向き合っていただけると嬉しいです。また今後は、少しずつ集まってきたデータの分析やそこから得られた気づきの共有、より実効性のある運用プランの提案などにも期待しています。『ASHIATO』とともに、当社もさらなる成長を実現していきたいですね。

ASHIATO

木下さん、貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました。

<取材/編集>小野山伸和、橋本真吾
<取材/文章>大原正太郎
株式会社RevComm

株式会社RevComm

会社概要

「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を作る」というミッションを掲げ、ビジネスシーンでのコミュニケーションを効率化する音声解析AI「MiiTel」を展開するスタートアップ。これまでブラックボックス化していた、電話・Web会議・対面会話・コールセンターでのコミュニケーションをAIによって可視化・分析することで、企業の生産性や売上の向上に貢献している。2024年7月にはシリーズBラウンドで15.8億円の資金調達を実現。今後も「AI×音声技術」を軸に、ミッションの実現に向けたプロダクトアップデートをはじめ、さらなる事業成長を目指す。
https://www.revcomm.co.jp/

従業員数

222名(2024年9月1日現在)

インタビュー
木下 眞由子(きのした まゆこ)
KINOSHITA MAYUKO木下 眞由子(きのした まゆこ)

化粧品メーカーの営業としてキャリアをスタート。7年間のうちに、「商売とはなにか」「女性が働くとはどういうことか」などを学び、人材業界に転職。計3社で8年間にわたりキャリアコンサルタントを経験。2016年にはSansan株式会社へ入社し、主に人事部で事業拡大に従事。約250名から700名規模に至るまで採用を担当。2021年1月より株式会社RevCommへ入社し、リクルーターを務めている。これまでのキャリアを通じて1万人以上の面談・面接を行ない、趣味・特技ともに「採用」となっている。