「セキュリティ×SaaS」で新市場創出に挑むスタートアップ。事業の急拡大とカルチャーマッチを両立させた秘訣とは?

SecureNavi株式会社
SecureNavi株式会社

ASHIATO導入背景

2020年の設立以来、情報セキュリティ領域における日本初の ISMS・P マークオートメーションツール「SecureNavi」を主軸に事業規模を拡大させてきた同社。
急速に事業拡大を行ないつつも、採用活動ではビジョンやバリューへの共感といった「カルチャーマッチ」を最も重視している。採用人数が増え続けるなか、いかに会社と応募者の方の相互理解を行なうべきか。その解決のために、リファレンスチェックサービスを導入することに。会社初の試みを実りあるものにするために、『ASHIATO』の使用に踏み切った。

この記事のポイント

新市場創出に挑むスタートアップ。急速な事業拡大フェーズでも、カルチャーマッチを重視した採用を行なっている。

年間で2倍3倍と組織拡大していくには、選考の質を担保しながらスケールアップしていけるかどうかが課題に。

『ASHIATO』を活用し、会社と応募者の方の相互理解を促進。高い次元でカルチャーマッチを目指す。

セキュリティ×SaaSで情報セキュリティ領域に革命を。

ASHIATO

「文系のセキュリティをDXする」というテーマで、日本初の「セキュリティコンプライアンスソフトウェア」の普及に努めていますよね。改めて、簡単に概要をご説明いただいてもよろしいでしょうか。

当社は、情報セキュリティ認証や社内規定の管理といった、いわゆる「文系のセキュリティ領域」におけるDXソリューションを展開しています。「セキュリティコンプライアンスソフトウェア」と呼ばれ、アメリカではすでにマーケットカテゴリが存在しており、ユニコーン企業2社をはじめ多くのプレイヤーがしのぎを削っています。

とはいえ国内では、まだまだ市場創出の段階です。同領域における日本初のスタートアップとして、現在はISMS認証やPマークの取得を効率化し、組織の情報セキュリティレベルを向上させるクラウドサービス「SecureNavi」を展開しています。

ASHIATO

導入実績はすでに600社を越えるそうですね。どのようにして新規性のあるサービ スを普及しているのでしょうか。

情報セキュリティの領域では、いまだにWordやExcelでの管理が主流です。いっぽうで他の領域に目を向けると、顧客の管理は「Salesforce」、人事労務の管理は「SmartHR」など、SaaS管理ツールの使用が一般的になってきています。そのため、情報セキュリティの領域においても、サービスがないだけでニーズはあると考えていて。実際に、サービスのデモンストレーションを行なうと興味を持っていただけることが多いですね。

もちろん、サービスを提供して終わりではありません。高度な知識やノウハウがなくても、安心して使用できるようCSによるサポートにも力を入れています。専門性がなくても、効率的にセキュリティ活動を進めることができる点が顧客満足度にもつながり、結果としてチャーンレートはかなり低い値を維持しています。

ASHIATO

昨年11月には、シリーズAラウンドで4.6億円の資金調達を実現したかと思います。それ以前以後で会社にどのような変化がありましたでしょうか。

まず、資金調達の大きな目的は組織体制の強化でした。事業規模を拡大していくなかで、セールスやCSを少人数で回していたところがあって。サービス品質や顧客満足度を担保しながら、さらなる受注活動に取り組めるようになった点はよかったですね。また、オフラインイベントの出展などマーケティングにも投資ができるようになりました。資金調達を経て、「攻め」の姿勢で事業活動ができています。

目先の目標は、既存サービスである「SecureNavi」を1000社以上に導入することですね。そして「SecureNavi」とは異なる角度から情報セキュリティを向上させるためのプロダクトの開発にも力を入れていきたいと考えています。

カルチャーマッチ重視の採用で人員体制の強化を目指す。

ASHIATO

「悲報をなくす」というビジョンが印象的です。それに対し、人事としてはあるべき姿をどのようにお考えでしょうか。

現在当社は、急速に組織体制を強化しています。実際に、社員数は約半年で2倍にまで増えている状況です。とはいえ、スキル面だけを見て次々と採用しているわけではありません。最も重視しているのは、「カルチャーマッチしているかどうか」です。

当社には、「悲報をなくす」というビジョンがあります。革新的な製品やサービスが生まれるなか、それらによって悲報がもたらされることも少なくありません。情報漏えいやサイバー攻撃がその最たる例ですね。世の中を便利にしたいという思いに反して、世の中の悲しみが増えてしまうことを未然に防ぎたい。そうした思いで事業を運営しています。

また、ビジョンを達成するために大事にしているバリューが6つあります。1つ目が、チームを信頼し、チームで仕事に取り組むという「TRUST TEAM」、2つ目が、自分のベストパフォーマンスを発揮し続けるという「HIGH PERFORMANCE」、3つ目が、仲間を信頼し、尊重するという「RESPECT YOU」、4つ目がわたしたちが SecureNavi の未来をつくるという「BUILD OUR COMPANY」、5つ目が贈り物のようにフィードバックを送るという「FEEDBACK IS A GIFT」、最後が、主人公はわたしという「I’M A STAR」です。人事としては、当社のビジョンやバリューとマッチする人材をいかに採用するかが常に課題となっています。

ASHIATO

事業拡大フェーズで、スキルマッチとカルチャーマッチの両立が求められている状況 なのですね。その実現に向けて行なっている独自の取り組みなどはあるのでしょうか。

まず、当社のカルチャーを知ってもらうために、メディアプラットフォームでの情報発信に注力しています。経営層を中心にビジョンやバリューについて発信したり、当社に転職してきた社員が中途入社だからこそ分かる組織風土や文化を発信したりしています。また、CEOの井崎やCOOの久高をはじめ、経営層と気軽に話せるカジュアル面談も受け付けています。

選考においては、CEOまたはCOOが必ず最終面接を担当している状況です。この場でしっかりと会社の文化を伝え、カルチャーマッチを図るようにしています。

会社のカルチャーを熟知したCS担当者のサポートが、『ASHIATO』導入の決め手に。

ASHIATO

年間で2倍3倍もの組織拡大を目指す中、リファレンスチェックの導入にはどのよ うな背景があったのでしょうか。

急速な事業拡大フェーズにおいてもカルチャーマッチに妥協しないためには、選考の質を担保しながらスケールアップしていく必要がありました。現在はCEOやCOOが最終面接を担うことで、会社の文化や価値観に共感してくれる方々の採用ができていますが、採用人数が増えてくればこれまで通りにはいかないでしょう。さらなる急拡大に向けて新たに面接を担当するメンバーが増えた際にも、選考の質を担保できるかどうかが課題です。そこで、会社と応募者の方の相互理解を平準化するためにもリファレンスチェックを導入することにしました。

ASHIATO

ビジョンやバリューを大切にしながら急成長を続けるスタートアップならではの導入 背景ですね。他でもなく『ASHIATO』を選んでくださった理由はなんでしょうか。

リファレンスチェックサービスの使用は、当社にとって初めての試みでした。そもそも、スキルマッチとカルチャーマッチの両立を図るといった採用活動に適したサービスなのかどうか分からないところもあって。その点『ASHIATO』では、CS担当者がサービスの導入から定着まで伴走してくれたので安心でした。

実際に、検証から始めたいというニーズを踏まえたうえで運用プランを提示していただき、不安なくスタートできたと感じています。また質問内容に関しても、導入後まもなく当社のビジョンやバリューを踏まえてカスタマイズしたものを提案していただきました。「なぜそうした質問を設定したのか」についても詳しく説明していただき、当社の文化や価値観に対する理解の深さも感じられ、納得度高く運用できたと思っています。

『ASHIATO』とともに、100名規模の組織を実現へ。

ASHIATO

約半年間にわたり、『ASHIATO』を利用してみた感想はいかがでしょうか。

まず、選考に対する温度感を確認できると感じています。選考を進めるにあたり、前職の上司や同僚の方に回答をお願いしなければなりません。少なからず手間がかかるわけなので、私たちも丁寧なご依頼を心がけていますが、前向きに取り組んでいただけた場合にはその方の選考に対する温度感を理解することができます。

また、事業拡大に伴い面接担当者の数も増えるなか、選考の質を担保する上でも有効だと感じています。『ASHIATO』を導入したことで、面接では知り得なかった候補者の行動特性や、コミュニケーション上・実務上の評価、これまで積み上げてこられてきた信頼がわかるようになりました。これまでのご活躍をきちんと把握することで、多面的な理解ができるようになったと感じています。

もちろん、レポートの内容だけで判断することはありません。面接でもすり合わせながら、本人の課題認識と周囲からの評価が一致している場合は、前向きに捉えています。自社のカルチャーに合わせて努力ができるという判断もできるためです。

ASHIATO

最後に、今後の採用活動のビジョンと『ASHIATO』への期待を教えてください。

さらなる事業拡大に向けて100名規模の組織にしていくためにも、会社の利と個人の利の両立に努めたいと考えています。当社の一員になることで、理想のキャリアを実現できたり、人間関係が良いと思えたり。社員一人ひとりが利益を得られ、「良い会社」だと思えることがリファラルなどにもつながるはずです。

そのためにもまずは、当社と応募者の方がwin-winの関係になれるかどうかを、きちんと選考で判断することが欠かせません。私たちは個を大事にしている会社です。採用においても、個のキャリアや実現したいことに寄り添いたいと思っています。候補者の方の志向性、行動特性、仕事の価値観をきちんと理解をした上で、私たちとして希望を叶えられるかどうか。従来の採用フローでは知り得なかった部分をリファレンスレポートによって理解し、その人が見ている景色を一緒に見られるかどうかが大切です。引き続き、『ASHIATO』にはその一助になってくれることを期待しています。

ASHIATO

間瀬さん、貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました。



<取材/編集>小野山伸和、橋本真吾
<取材/文章>大原正太郎
SecureNavi株式会社

SecureNavi株式会社

会社概要

情報セキュリティ認証やガイドラインへの準拠、社内規定の管理など、いわゆる「文系のセキュリティ領域」におけるDXソリューションを展開するスタートアップ。ISMS認証やPマークにおける取り組みを効率化し、組織の情報セキュリティレベルを向上させるクラウドサービス「SecureNavi」を展開している。2023年11月にはシリーズAラウンドで4.6億円の資金調達を実現。今後もセキュリティ×SaaSを軸に、積極的に新規事業の開発や人員体制の強化を行ない、「悲報をなくす」というビジョンの達成を目指す。
https://secure-navi.jp/company

従業員数

57 名(2024年7月時点)

インタビュー
間瀬 翔也
MASE SYOYA間瀬 翔也

1994年生。岐阜県出身。2013年4月より日本特殊陶業株式会社へ入社し、人事・労務に従事。2018年12月より株式会社スタメンへ入社し、コーポレート部3人目のメンバーとして、主に労務・総務・経理領域において IPO前後の会社基盤づくりを担う。2022年12月よりSecureNavi株式会社へ入社し、コーポレート責任者としてコーポレート部の立ち上げを行い、人事・経理・情シス・総務を管掌している。